不動産お役立ちコラム
【共働き】住宅ローンをペアローンで借りる注意点|収入合算との違い
「夫婦2人で住宅ローンを組む方法の種類や特徴を知りたい!」
「1人で住宅ローンを組むより2人で組んだほうが安心できる」
「ペアローンにすることで希望の物件を購入することができるかもしれない」
住宅は一生で一番高い買い物になります。そのため、住宅ローンも高額になりやすく、共働き夫婦であれば2人で住宅ローンを組むことを検討されるかたもいるかと思います。
そこで今回は、2人で住宅ローンをと考えた際に選べる「ペアローン」と「収入合算」についてそれぞれの特徴や違いをわかりやすく解説します。
コラムでわかること
- ペアローンと収入合算の違い
- ペアローンや収入合算で借りるときのメリット・デメリットがわかる
目次
共働き夫婦が選択できる住宅ローン
共働き夫婦が住宅ローンを組む方法には4つの選択肢があります。
- 夫婦のどちらか片方が契約者となり住宅ローンを組む
- ペアローンでそれぞれ個別に住宅ローンを組む
- 収入合算して連帯保証型
- 収入合算して連帯債務型
1はシンプルに1人で住宅ローンを組みますが、それ以外の3つは夫婦で協力して住宅ローンを組む方法です。
ペアローン | 収入合算【連帯保証型】 | 収入合算【連帯債務型】 | |
契約内容の例 | 夫:1,500万円
妻:1,500万円 |
夫:3,000万円
妻:連帯保証人 |
夫:3,000万円(妻も同等に返済する義務) |
契約書 | 契約は2つ | 契約は1つ | 契約は1つ |
返済義務 | それぞれ個別に返済義務あり | 夫の返済が滞った場合に妻の返済義務が発生 | 夫と同等に妻も最初から返済義務あり |
住宅の持ち分 | それぞれ持ち分あり | 連帯保証人である妻に持ち分はなし | 共有名義にすることで金額に応じてそれぞれ持ち分あり |
「ペアローン」「収入合算 連帯保証型」「収入合算 連帯債務型」についてそれぞれの特徴を順番にご紹介します。
ペアローンは契約書2枚。別々に住宅ローンを組む
ペアローンは夫婦がそれぞれ別々の契約をおこない、住宅ローンを組みます。別々の契約になるため、金融機関や返済方法など個別に選択することができます。
一般的に夫婦はそれぞれに対して連帯保証することになります。つまり、夫か妻どちらかの返済が滞った場合、連帯保証人としてもう片方が2人分を返済することになります。
【ペアローンの例】
物件価格3,000万円 夫:1,500万円 妻:1,500万円
住宅ローンを別々に2つ契約して購入する方法です。
収入合算は契約書1枚。連帯保証型と連帯債務型がある
収入合算はペアローンと違い、夫婦の収入を合算して「1つの契約」をします。個別に契約するペアローンとの大きな違いになります。
また、収入合算には「連帯保証」と「連帯債務」の2種類があります。
連帯保証とは
主たる債務者が単独で住宅ローンを契約します。単独で契約しますが夫婦の収入を合算させて借入額を審査するので、シンプルに単独名義で契約するより借入額を増やすことができます。
例:物件価格3,000万円 夫:3,000万円 妻:連帯保証人
妻は連帯保証人として、返済が滞った場合に返済する義務をおいます。
連帯債務とは
ペアローンと同じで夫婦どちらにも最初から返済義務があります。ただし、1つの契約になるため諸費用もペアローンと違い2倍になることはありません。
例:物件価格3,000万円 夫と妻:3,000万円
妻は最初から返済義務が発生します。共有名義にすることで持ち分や住宅ローン控除を受けることができます。
ペアローンと収入合算のメリット・デメリットの違い
ペアローンと収入合算は住宅ローン控除や諸費用などの面でも違いがあります。
ペアローン | 収入合算【連帯保証型】 | 収入合算【連帯債務型】 | |
住宅ローン控除 | 両方受けられる | 片方のみ | 持ち分に対して受けられる |
団体信用保険 | 両方加入できる | 片方のみ | 商品によっては両方加入できる |
諸費用 | 2倍になる | 1つ分 | 1つ分 |
返済方法 | 2種類選ぶことができる | 1種類のみ | 1種類のみ |
それぞれのメリット・デメリットに関して次で解説します。
ペアローンのメリット・デメリット
住宅ローン控除の恩恵をそれぞれ受けられる
住宅ローンの控除とは、一定の条件を満たせば借りた年によっても違いますが10年~13年間住宅ローンの残債額に応じて「所得税」と「住民税」から控除を受けることができる制度です。
令和4年12月までに入居すれば「10年間毎年1%の控除 最大で年間40万円まで」「11年目~13年目の3年間で最大80万円の控除」が適応されるため大変お得な制度です。
【最大の控除額】
4,000万円(住宅ローンの残債)×1%×10年間=400万円
400万円+80万円=480万円
上記のように「所得税」と「住民税」から10年の間は最大で40万円控除されますが、単独では使い切れないかたもいるかと思います。
その場合ペアローンであればそれぞれ控除が受けられるため、1人で借り入れるよりお得になる可能性があります。
夫婦2人とも団体信用保険に加入できる
団体信用保険とは、万が一住宅ローンを借りていた人が亡くなった場合に、住宅ローンの残りの返済義務がなくなる保険です。団体信用保険に金利をプラスして「3大疾病」や「8大疾病」を追加できる商品もあります。
住宅ローンによる保険を手厚くすることで、個別に加入する保険費用を節約できる可能性があります。注意点は亡くなった側の返済が免除されますが、自分の返済額が免除されるわけではないということです。
それぞれ返済方法や返済期間を設定できる
【例えば】
夫:借入額2,000万円 返済期間35年 フラット35の全期間固定金利型
妻:借入額1,000万円 返済期間15年 変動金利型
女性にお得な住宅ローンも増えてきているため、それぞれが個別に返済方法や金利タイプが選べることは大きなメリットになりますね。
ペアローンのデメリット
- 事務手数料など諸費用が2人分
それぞれ個別に契約するため諸費用も2人分かかります。「契約書に貼る印紙代」「手数料」「抵当権設定登記費用」「司法書士への報酬」など2倍になります。
諸費用は高額になりやすいため、ペアローンを組む場合には事前に諸費用がいくらになるのか計算しておきましょう。
- 団体信用保険に加入するための条件として2人とも健康である
住宅ローンを借りる場合、団体信用保険に加入することを条件としている金融機関がほとんどになります。団体信用保険は、一種の生命保険になるため健康状態が良好でないと加入できません。
ただし、持病があったり、過去に大きな手術をしているからといって絶対加入できないというわけではありません。「健康状態が確実に良好です!」とはっきり言える人は実は少ないのではないでしょうか?健康に不安でも内容によっては住宅ローンを組むことができますので、お気軽に相談してくださいね。
収入合算のメリット・デメリット
ペアローンと比較して諸費用がかからない
契約は1つなのでペアローンのように諸費用が通常と比べて2倍になることはありません。借入額を増やすことができ、かつ諸費用を抑えることができます。
【収入合算の連帯保証型の場合】のメリット
- 連帯保証型の住宅ローンは選択できる商品が多い
収入合算を利用する場合、連帯保証型の商品のほうが多いため選びやすくなります。逆に連帯債務型は数が少なくフラット35が代表的な商品になります。
【収入合算の連帯債務型の場合】のメリット
- 負担額に応じて住宅ローン控除の恩恵が受けられる
収入合算の連帯債務はペアローンと似ています。最初からどちらも返済義務があるため、住宅ローン控除も受けることができ、商品によってはそれぞれが団体信用保険に加入することができます。
収入合算のデメリット
- 連帯保証の場合は住宅ローン控除は主たる債務者のみ
住宅ローン控除の恩恵は主たる債務者のみになります。連帯保証人には控除などの恩恵は受けられません。
ペアローンや収入合算の連帯債務型で離婚された場合の注意点
共有名義で住宅を購入すると離婚時にトラブルに発展しやすくなります。
- 単独で売却することができない
家を売却する際には夫と妻どちらの同意も必要になります。片方が拒否すれば、勝手に売却することができません。
- 2人分の支払いをする可能性も
離婚時に家を出たほうの支払いが滞った際に、2人分の支払いを請求されることもあります。しかし、単独で借りられる以上の金額を借りているケースが多くなるため、1人での返済は困難になりやすくなります。
まとめ
ペアローンや収入合算は夫婦で協力して住宅ローンを借りるということです。単独で組むより借入額を増やすことができますが、諸費用や控除額の違いなどそれぞれ特徴が異なります。
今回の記事を参考に夫婦にあった住宅ローンを選択してみてください。
夫婦で協力して住宅をお探しなら「住宅市場」におまかせください。
「ペアローン」と「収入合算」どちらが自分たちに合っているのか悩みますよね。
まずはお気軽にご相談ください。
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「住宅市場」は、那珂市を中心としたエリアで活動する地域密着型の不動産会社です。