不動産お役立ちコラム
【2024年】住宅ローン控除が受けられない?変更点や年収ごとの控除額、2025年以降について
2024年の住宅ローン控除は、対象となる借入限度額が縮小し、住宅の種類によっては、住宅ローン控除が受けられません。
本記事では、2024年の「住宅ローン控除が受けられない住宅」や「控除額の変更点」、「年収ごとの上限」や「手続きの流れ」、「2025年以降」について解説します。
2024年に新築や中古住宅に入居予定の方は、物件によって控除額が変わるので、ぜひ購入前に記事を参考にしてくださいね。
【コラムでわかること】
- 2024年の住宅ローン控除の変更点や控除額
- 年収ごとの控除額
- 確定申告の手続きの流れや必要書類
目次
【2024年】住宅ローン控除が受けられない住宅や変更点
2024年の住宅ローン控除(=住宅ローン減税)の最大の変更点は、購入する住宅によっては、住宅ローン控除が受けられなくなったことです。
住宅ローン控除が受けられない住宅は、「省エネ基準を満たさない新築住宅(2024年以降建築確認取得)」です。
今までは住宅ローンを組めば、新築なら13年間の住宅ローン控除を利用できましたが、2024年以降は、控除額が0円になるケースが発生します。
住宅ローン控除を適用して住宅を購入するために、2024年の変更点を確認してみましょう。
新築の住宅ローン控除の変更点
新築住宅の住宅ローン控除の変更点をご紹介します。
住宅の種類 (控除期間) |
2023年入居
借入限度額 (最大控除額) |
2024~2025年入居 (最大控除額) |
|
13年間 | 長期優良
認定住宅 |
5000万
(455万) |
4500万
(409.5万) |
ZEH住宅 | 4500万
(409.5万) |
3500万
(318.5万) |
|
省エネ住宅 | 4000万
(364万) |
3000万
(273万) |
|
その他の 住宅 |
3000万
(273万) |
※0円
|
※2023年に建築確認を受け、2024年~2025年に入居した場合は、借入限度額2000万・借入期間10年間の対象。
ただし、「子育て世帯」と「若者夫婦世帯」が「2024年に入居」する場合には、借入限度額を縮小しないことが、2023年12月に閣議決定されました。
【子育て世帯・若者夫婦世帯の住宅ローン控除 2024年入居】
住宅の種類 |
借入限度額 |
最大控除額 |
|
13年間 | 長期優良
認定住宅 |
5000万 | 455万 |
ZEH住宅 | 4500万 | 409.5万 | |
省エネ住宅 | 4000万 | 364万 | |
その他の 住宅 |
※0円 | ※0円 |
※2023年に建築確認を受け、2024年~2025年に入居した場合は、借入限度額2000万・借入期間10年間の対象。
住宅ローンの控除額は一律ではなく、「入居する年」「住宅の種類」「利用する世帯」によって異なります。
2024年は2023年と比べて、住宅ローン控除の対象となる借入限度額が、子育て・若者夫婦世帯以外の場合、500万~3000万円縮小しています。
たとえば、2024年の借入限度額が3500万円の場合、4000万の住宅ローンを組んでも、3500万円までしか控除の対象になりません。
参照サイト:国税庁 住宅借入金等特別控除
中古の住宅ローン控除の変更点
2024年の中古住宅の住宅ローン控除は、下記表の通り変更点はありません。
住宅の種類 |
2022年~2025年入居 借入限度額 (最大控除額) |
|
10年間 | 長期優良
認定住宅 |
3000万 (210万) |
その他の 住宅 |
2000万 (140万) |
中古住宅の場合、2024年からの住宅ローン控除の縮小はなく、住宅の種類に関係なく10年間適用されます。
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住宅ローン控除の計算方法
住宅ローン控除の計算方法は「年末の住宅ローン残高×0.7%」です。
【例】
3000万円(年末の住宅ローン残高)×0.7%=21万円(控除額/1年間)
21万×13年間=273万円(最大控除額)
「所得税」から控除され、控除しきれなかった場合は「住民税」からも控除できます。
ただし、住民税の控除対象の上限は「9.75万円」です。
そのため、同じ借入金額でも、納税している所得税や住民税によっては、控除を使い切れない場合があります。
住宅ローン控除を最大活用できる年収を、次章で確認してみましょう。
【2024年入居】住宅ローン控除を使い切れる年収は?
住宅ローン控除をフル活用するために、年収ごとの所得税と住民税をご紹介します。
配偶者やお子様の有無などによっても異なるため、あくまで目安としてご参考ください。
年収 |
所得税 | 住民税
(上限9.75万) |
住宅ローン控除を |
300万 | 6万 | 12万 | 15.75万 |
400万 | 9万 | 18万 | 18.75万 |
500万 | 14万 | 24万 | 23.75万 |
600万 | 18万 | 31万 | 27.75万 |
700万 | 32万 | 38万 | 41.75万 |
借入金3500万円の住宅ローン控除額は、「3500万×0.7%=24.5万/年」になるため、住宅ローン控除を使い切るためには、年収500万円以上必要です。
「ご自身の年収・借入予定金額」を確認し、計算してみましょう。
【例】
借入金額3000万円×0.7%=21万/年間(控除額)
年収400万の場合:21万(控除額)-18.75万=2.45万円(使い切れない金額)
年収が高いほど、控除できる税金が多くなるため、住宅ローン控除の恩恵を受けやすくなります。
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【2025年以降】住宅ローン控除は受けられない?
現在の住宅ローン控除の制度は、2025年までです。
2026年入居からは、住宅ローン控除の延長が決定しない限り、控除を一切受けられなくなります。
現実的には、制度自体がなくなる可能性は極めて少ないですが、控除額がさらに縮小する可能性はあります。
実際に、2022年度の住宅ローン控除改正では、控除率が1%から0.7%に引き下がり、控除額が大幅に減少しています。
そのため、現在の住宅ローン控除を利用し、お得に購入できるタイミングを逃さないことが大切です。
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住宅ローン控除の手続きの流れ
住宅ローン控除を利用するためには、申請の手続きが必要です。
不動産会社やハウスメーカーに手続きを依頼できないため、おおまかな流れを把握しておきましょう。
いつまでに確定申告する?
住宅に入居した翌年の「2月中旬~3月中旬」に確定申告します。
2024年5月に入居した場合、2025年2月に確定申告するまでの期間が長くなるため、忘れないようにしましょう。
確定申告する場所はどこ?
確定申告する場所は、地域を管轄する「税務署」です。
入居する地域の税務署を検索し、窓口にて申請書を提出しましょう。
【確定申告する方法】
- 税務署に直接行く
- 郵送
- インターネット(国税庁のサイト)
直接、税務署まで行かなくても、郵送やインターネット(e-tax)で完結することも可能です。
確定申告の書き方は?
確定申告の書き方は、税務署に直接相談することも可能ですが、国税庁のサイトで簡単に確認できます。
また、サイト内の手順に沿って、必要な部分を入力するだけで、確定申告書を作成できます。
いつ控除額は受け取れる?
住宅ローン控除額は、確定申告後、約1か月後に所得税の控除分が受け取れます。
住民税分の控除額は、振り込みではなく、6月以降に控除された住民税が給料から引かれます。
2年目以降の会社員の場合、勤務先から所得税が還付される流れです。
必要書類はなに?
【必要な書類】
①確定申告書
②本人確認書類
③登記事項証明書
④売買契約書
➄源泉徴収票
⑥借入金の年末残高証明書
⑦住宅借入金等特別控除額の計算明細書
⑧その他の書類
①確定申告書
税務署や国税庁のサイトで入手できます。
②本人確認書類
「マイナンバーカード」や「運転免許証」、「パスポート」などを準備します。
③登記事項証明書
建物と土地、それぞれの登記事項証明書が必要です。
法務局で申請して入手できます。
④売買契約書
「売買契約書」や「工事請負契約書」は、契約時に入手できます。
➄源泉徴収票
会社員の場合、勤務先から入手できます。
⑥住宅取得資金に関わる借入金の年末残高証明書
住宅ローンを組んだ金融機関から入手できます。
⑦住宅借入金等特別控除額の計算明細書
税務署や国税庁のサイトで入手できます。
⑧その他
補助金を受ける場合は「補助金決定通知書」など、補助金額がわかる書類が必要です。
「長期優良住宅」「ZEH住宅」などは、認定証や証明書が必要です。
まとめ
2024年の住宅ローン控除が受けられない住宅や控除額、確定申告の手続きの流れなどをご紹介しました。
住宅ローン控除の対象となる借入限度額が、2024年以降縮小していますが、それでも魅力的な制度であることは変わりません。
現在の住宅ローン控除の恩恵を最大限に活用し、理想のマイホームを手に入れましょう。
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