不動産お役立ちコラム
空き家対策の成功例×失敗例|上手な活用方法や自治体の補助金制度
住む予定がない空き家を放置することはさまざまなトラブルの原因になるため早めの対策が大切です。
ですが、空き家の状態や立地条件によって「売却の仕方」や「活用方法」は異なります。
そこで本記事では、空き家対策の成功例や失敗例、利用できる自治体の補助金などについて解説します。
空き家の取り扱いについて迷っている方はぜひ参考にしてくださいね。
【コラムでわかること】
- 空き家対策の成功例と失敗例
- 空き家放置の金銭的リスクと心理的リスク
- 自治体や国の空き家対策と補助金
空き家放置は危険!3つの問題点
住む予定がない空き家の維持管理は面倒ですよね。
ですが、空き家放置は金銭的にも心理的にも大きな負担が生じるリスクがあります。
空き家放置の主な問題を3つご紹介します。
- 「特定空き家」で解体費用や過料のリスク
- 「固定資産税6倍」の税金を払い続けるリスク
- 犯罪や近隣トラブルに巻き込まれるリスク
「特定空き家」で50万円以下の過料や解体費用のリスク
増え続ける空き家問題を解消するために国は「空き家対策特別措置法」を施行しました。
倒壊しそうな極めて危険性の高い物件に対して「特定空き家」に指定し、行政は指導・勧告できる権利があります。
特定空き家の指定を受け、行政の命令を無視すると50万円以下の過料が課せられます。
また、行政代執行が行われることで割高な解体費用や事務費用を支払う恐れがあります。
では「特定空き家に指定されなければ問題ないのか?」と思いますが、2023年3月に「空き家対策特別措置改正案」が閣議決定したことで特定空き家に指定されなくてもリスクが発生します。
次の章で内容を確認してみましょう。
「固定資産税6倍」の税金を払い続けるリスク
空き家を放置する人の中には「更地にすると固定資産税の優遇措置がなくなって税金が高くなるから放置している!」という人もいるかと思います。
住宅が建っている土地は、固定資産税が1/6や1/3に減額される「住宅用地の特例措置」の適用を受けることができます。
【例】
空き家が建っている:1000万円×1/6×1.4%=23,380円(固定資産税)
更地 :1000万円×1.4%=140,000円(固定資産税)
ですが「特定空き家」の指定を受けると「住宅用地の特例措置」の適用を受けることができなくなります。
また、今までは「特定空き家」だけでしたが、今後は「管理不全空き家」も対象になることが決定しました。
管理不全空き家とは、放置すれば特定空き家の状態になる恐れがある物件のことをさします。
つまり、固定資産税の優遇措置から外されて、高い税金を納める必要がある物件の範囲が広がったということです。
今回の改正によって空き家対策を検討する方が増える見込みです。
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犯罪や近隣トラブルに巻き込まれて大金を支払うリスク
放置された空き家は雑草が生い茂り誰も住んでいないということが一目でわかってしまいます。
その結果、粗大ごみの不法投棄や落書き、放火などの犯罪に巻き込まれる恐れがあります。
知らないうちにゴミが山積みになっていれば、破棄するために少なくない費用を支払うことも。
また、地震によって塀や建物が倒壊したことで近隣に損害を与えてしまえば、損害賠償する可能性もあります。
「毎年の固定資産税を支払うくらいなら大丈夫」と思っていると、思わぬ大金を支払うことになってしまうかもしれません。
空き家対策の成功例と失敗例
【更地にして売却】成功例:更地にしたらスムーズに売却できた
築年数が古く、部分的なリフォームだけでは意味がない物件の場合、解体して更地にしてから売却したほうが売れやすいケースがあります。
解体費用は自己負担になりますが、土地として売却することで新築をすぐに建てたい方のニーズに応えることができます。
【更地にして売却】失敗例:固定資産税が増税しただけだった
空き家放置によるトラブルを防ぐために、とりあえず建物を解体して更地の状態にする方がいます。
ですが、更地になると固定資産税の優遇措置が受けられなくなり、毎年支払う税金が6倍や3倍など高くなってしまいます。
もちろん空き家放置はトラブルの原因になりますが、更地にする前に土地として売却の見込みがあるのか、活用方法などを確認することが重要です。
【リフォームして売却】成功例:補助金でリフォーム費用を安く抑えられた
国や自治体が実施しているリフォーム補助金制度はいくつもあります。
【補助金の対象になるリフォーム工事】
- 耐震性向上のためのリフォーム
- 断熱性向上のためのリフォーム
- バリアフリーにするリフォーム
- 子育て世帯や若者夫婦によるリフォームなど
補助金利用で100万円以上費用を安く抑えられるケースもあります。
ただし、補助金制度は種類が多く一般の方ではすべてを把握しにくいため、リフォームを検討する際には専門家に確認すると安心です。
詳しくはこちら:国土交通省 住宅リフォームの支援制度 令和5年3月1日時点
【リフォームして売却】失敗例:売却してもリフォーム費用を回収できなかった
内装をリフォームすると内覧している方の印象は大幅に良くなり売却しやすくなるメリットがあります。
ですが、いくらで売却できるのか確定していない状況で高額なリフォーム費用をかけるのは失敗の原因になります。
希望の売買価格で売れるとは限らず、価格を下げたことで最初に支払ったリフォーム費用を回収できない可能性があります。
物件の状態、リフォーム費用、物件の需要など総合的に確認し資金計画してみましょう。
また、事前に地域市場に詳しい不動産会社に相談することが大切です。
茨城県で空き家売却を検討中の方はこちら>>>株式会社住宅市場
【土地活用】成功例:駐車場やコインパーキングで不労所得
立地が良ければ更地にして駐車場として不労所得を得る方法があります。
住宅地の周辺や駅の近くなど需要がある立地であれば検討できる活用方法です。
駐車場経営はアパート経営などと比較して初期費用を安く抑えられるメリットがあります。
【空き家活用】失敗例:賃貸のノウハウを知らずに経営悪化
空き家をリフォームして賃貸物件として貸し出す方法があります。
ですが、賃貸経営は「初期費用」「ランニングコスト」など支出が大きくなります。
また「空室リスク」などもあるため「空き家再生ビジネスが流行っているから」と気軽な気持ちで行うと後悔する可能性が高くなります。
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自治体と国の空き家対策や補助金
国の空き家対策
空き家問題が深刻化していることで、国は中古住宅の流通を促すために「安心R住宅」という制度を設けました。
こちらは、中古住宅の「汚い」「不安」というマイナスのイメージを払拭し「住みたい」「買いたい」と思える住宅を選択しやすくする制度です。
耐震性やリフォームの実施など必要な情報をわかりやすく提供できるため、中古住宅購入へのハードルを下げることが可能です。
こちらの制度を利用できれば空き家売却を有利に進めることができます。
参照サイト:国土交通省:安心R住宅
自治体の空き家対策の補助金
空き家が増え続けるのは治安悪化の原因になるため、空き家対策として補助金制度を実地している自治体は多いです。
【自治体の補助金の例】
- 解体費用
- リフォーム費用
- 空き家に移住するための費用
空き家でも解体するために100万円以上かかってしまうケースもあります。
そのため、少しでも費用を抑えるために利用できる補助金制度がないか自治体のHPで確認してみましょう。
空き家対策はプロの専門家に相談しよう
空き家対策は「建物の状態」「立地条件」などによって最適な活用方法は異なります。
どれだけ空き家の状態が良くても需要がなければリフォームしても意味がありません。
そのため、まずは所有している空き家の状態を地域に強い不動産会社に相談してみましょう。
空き家売却なら「住宅市場」におまかせください。
「いくらで売却できるか査定したい」
「空き家の解体費用を安く抑えたい」
「住宅ローンが残っていて売却できない」
上記のようなご相談にも誠実にサポートをおこない、お客様のご要望にお応えします。
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