不動産お役立ちコラム

那珂・ひたちなかエリア住宅価値の将来的な見通し

近未来に向けた茨城県内の住宅購入を検討する際、地価の動向、住宅需要(人口推移)、そしてローン金利の変動は重要な判断材料です。特に那珂市・ひたちなか市・水戸市・東海村は、それぞれ市街地・県庁所在地・元気な工業地域・特殊な行政村と異なる特性を持っており、個別に見極める必要があります。以下、各項目に沿って丁寧に分析します。
なお、那珂市における住宅購入のポイントはこちらで紹介しています。

住宅価値の将来的見通し:人口動態と公示地価から読み解く

1‑1. 人口動態と将来の住宅需要

国立社会保障・人口問題研究所の**「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」**によれば、2020年の茨城県の人口は約286万人2050年には約224万人へ—およそ21.7%減少すると見込まれています (参照:NHK)

NHKによる茨城県内44市町村別の2050年推計によると、

  • 水戸市は2020年から9.9%減少、2050年には約24.3万人と推計されています。
  • ひたちなか市は約13.2万人へ減少(減少率14〜15%前後)と見込まれます。
  • 那珂市東海村を含むその他すべての市町村は人口減少が予測される中、那珂市は特に減少幅が大きく(20%以上)、東海村も15%前後の減少が想定されると読み取れます (参照:NHK)

つまり、人口減少のスピードに地域差があり、住宅需要の将来的な持続性にも違いが出ることが予想されます。

1‑2. 公示地価動向(2025年)

**国土交通省「令和7年(2025年)地価公示」**より、対象4地域の住宅地地価状況は以下の通りです:

市町村 住宅地㎡単価 坪単価 前年比(変動率)
水戸市 約52,405円 約17.3万円 +0.10%(上昇)
ひたちなか市 約33,200円 約11.0万円 +0.22%(上昇)
東海村 約38,685円 約12.8万円 ±0.00%(横ばい)
那珂市 約21,603円 約7.1万円 -0.17%(下落)
  • 水戸市:県庁所在地としての都市機能、再開発効果、交通利便性が住宅・商業地価の下支えとなり、微増傾向が続いています。
  • ひたちなか市:工業団地・商業施設と鉄道駅集積による利便性が評価され、地価上昇が堅調です。
  • 東海村:平均単価は高水準ながら横ばいで推移。原子力研究機構などの施設への依存度から安定性は一定ですが、突出した上昇は見られません。
  • 那珂市:低水準からの若干の下落傾向。郊外立地と人口減が背景と考えられます。

不動産ローン金利の現状と将来見通し

2‑1. 茨城県内金融機関のローン金利(2025年時点)

  茨城県信用組合(令和6年10月現在) 筑波銀行(2025年7月現在)
変動金利型 最優遇後 0.775% 「あゆみ」住宅ローン優遇後 1.000~1.050%
10年固定型 最優遇後 1.350% 1.400~1.450%
フラット35(21年以上・融資率9割以下) 1.820% 1.840%

2‑2. 全国的な金利動向と影響

日銀の金融政策

2024年3月にマイナス金利政策を解除し、政策金利引き上げに舵を切りました。「変動金利型」への反応は今後に注視が必要です。

「フラット35」金利上昇

住宅金融支援機構によると、2021年4月の最低金利1.30%から、2025年8月には1.94%へと上昇しています。

このように、短期と長期金利では傾向が異なり、ローン選びに際しては、期間と金利タイプのバランスが鍵になります。

住環境・学校区・子育て支援策の比較(各自治体)

3‑1. 水戸市

  • 教育・学校インフラ:幼稚園・小中学校・高校が多数あり、選択肢が豊富。
  • 住環境:赤塚駅周辺にはスーパー・病院・習い事施設が集中。市街地中心部や三の丸周辺もインフラ充実。
  • 行政支援:医療費助成・出産支援金・保育支援・給食無償化など、公的支援が充実しているとの報告があり、子育てに適した環境とされています。

3‑2. ひたちなか市

  • 教育施設:複数の子育て支援センター・交流サロンを展開し、親子の交流機会が豊富。
  • 支援策:児童手当、マル福医療費助成、ひとり親支援、JR定期券割引など多角的な施策があります。
  • 生活環境:工場・商業施設・鉄道駅の集積によって居住利便性があり、若い世代の定住に強み。

3‑3. 那珂市

  • 支援インフラ:「こども家庭センター」による切れ目ない支援体制を提供。
  • 支援制度:幼児教育の無償化、発達相談、緊急学童保育、出産応援給付金(10万円)、子育て住宅取得助成(最大20万円)など、金銭的・相談的支援が手厚い。
  • 住環境:郊外エリアながら自然豊かで、支援重視の家庭には魅力的。

3‑4. 東海村

  • 教育・子育て支援:自治体独自の情報は要確認ですが、県全体の「Kids Club」制度など、一定の支援制度に参加しています。
  • 特殊性:日本原子力研究機構があるなど特殊な地域背景があり、雇用や住環境の安定につながる側面もあります。

総合的見通しとアドバイス

住宅価値と将来性

市町村 今後の展望
水戸市 人口減少はあるものの、都市機能・インフラ・支援制度が整備されており、住宅価値は底堅い。投資・居住ともに安定性が高い。
ひたちなか市 工業・商業・交通面での利便性が強く、地価も上昇傾向。若年層や共働き家庭にとって魅力的。
東海村 地価は横ばいで安定。特殊機関の存在疲労度◎。ただ、人口構成の変化には今後注意。
那珂市 地価・人口ともに弱含み。支援制度は充実しているものの、自然条件や価格面で慎重な判断が必要。

ローン金利と返済戦略

  • 短期的には変動金利型が低水準(茨城県信用組合:0.775%、筑波銀行:1.000~1.050%)ですが、政策金利の上昇リスクには備えが必要。
  • フラット35など長期固定型は上昇傾向にあり、早期固定契約や繰上返済を計画するのが賢明。
  • 各金融機関のオリジナルプラン(筑波銀行の段階固定型など)の利用も検討価値があります。

まとめ:地域別の住みやすさ・資産戦略

 

  • 水戸市:都市としての安定感と支援制度、成熟した不動産市場の組み合わせ。安心と利便性を重視するなら最適。
  • ひたちなか市:成長エリアとしての可能性、商業・工業基盤が強く、将来的な資産価値維持に期待。
  • 東海村:安定を求める層に、特殊な地域背景も加味して検討する価値あり。
  • 那珂市:価格的に魅力的だが、リスクに対する備えと支援の活用が鍵。助成・支援内容を最大限活かす戦略が重要です。

いずれの地域でも、住宅ローンの金利プランと固定期間の選定、将来の金利・人口動向リスクへの備え(例:繰上返済、収支シミュレーション)が資産形成の安定に不可欠です。

参考資料(公的・金融機関)

土地新着情報Land new property

戸建新着情報New detached property

監修者情報

藤井 義光

藤井 義光株式会社住宅市場 代表取締役

株式会社住宅市場の代表取締役を務める藤井 義光と申します。当社では、住宅用地や建売住宅、中古住宅など、豊富な住宅情報を取り扱っております。
お客様のご要望に合わせて最適な物件をご提案し、快適な住まい探しのお手伝いをさせていただいております。
今後も、住宅市場の最新情報を発信してまいりますので、ぜひご覧ください。

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