不動産お役立ちコラム
住宅ローン控除に中古住宅の築年数は関係ある?条件や改正の内容を解説
住宅ローン控除を利用するには中古住宅の場合「築年数」などの条件がありました。
しかし、2022年の改正により築年数による制限は撤廃され、新たに耐震基準などの適用条件が設定されています。
そこで今回は、住宅ローン控除の改正後の適用条件や控除額、購入前に確認したい築30年や築40年の注意点をご紹介します。
【コラムでわかること】
- 中古住宅の住宅ローン控除の適用条件や控除額
- 改正後のメリット
- 築30年や築40年の中古住宅購入の注意点
目次
住宅ローン控除は築年数による制限が撤廃
中古住宅で住宅ローン控除が適用になる築年数の制限が、2022年の改正により撤廃されました。
これによって「新耐震基準に適合」している住宅であれば住宅ローン控除の対象になります。
築20年以内に限定して探す必要がないため、中古住宅の住宅ローン控除対象物件が大幅に増えました。
中古住宅の住宅ローン控除はいくら控除される?
住宅ローン控除は控除率が「1%」から「0.7%」に改正されたことが大きな話題になりました。
中古の一般住宅であれば最大控除額が「200万円」から「140万円」に縮小されています。
改悪とも言われている改正ですが、中古住宅では築年数の制限がなくなったことで、むしろ住宅ローン控除の恩恵を受けやすくなっています。
【改正後】
住宅の種類 | 借入限度額 | 控除率 | 控除期間 | 最大控除額 |
認定住宅 ZEH住宅 省エネ住宅 |
3,000万円 | 0.7% | 10年間 | 210万円 |
一般の住宅 | 2,000万円 | 0.7% | 10年間 | 140万円 |
計算方法は「年末の住宅ローン残高×0.7%」です。
住宅ローン残高が大きいほど控除額も大きくなるため、支払っている利息と控除額を計算し繰り上げ返済するタイミングを間違えないようにしましょう。
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改正後の中古住宅の適用条件とは
改正後に中古住宅において住宅ローン控除が適用される条件は下記になります。
- 新耐震基準に適合している住宅であること(昭和56年6月1日以降の住宅)
- 所得金額「2,000万円以下」
- 返済期間「10年以上」
- 床面積「50㎡以上」
- 床面積の2分の1以上が居住用
- 自らの居住用であること
新耐震基準に適合している物件
築20年や築25年以内などの制限がなくなった代わりに「新耐震基準に適合している住宅」という条件が設定されています。
耐震基準は、1981年6月1日に改正されました。そのため、1981年6月以前の物件が「旧耐震」1981年6月以降の建物を「新耐震」と表記しています。
つまり、以前と比べて耐震性が強い「新耐震基準」の住宅であれば住宅ローン控除が適用されるという大幅な緩和になっています。
50㎡以上の床面積
50㎡以上の床面積の中古住宅を購入しても「住宅ローン控除が適用されなかった」ということがあります。
理由は、床面積の測り方です。測り方には「壁の中心からの面積」と「壁の内側のみの面積」と2パターンあります。
測り方によって若干の差が生じるため、50㎡以上だと思っていても「登記簿面積」では49㎡の可能性もあります。
そのため、床面積を確認する場合には広告に表記されている面積ではなく「登記簿面積」を確認するようにしましょう。
住宅ローン控除改正による中古住宅のメリット
築年数制限がないので選択肢が広がる
改正前は下記の築年数制限がありました。
【築年数制限】
- 木造住宅(非耐火建造物)築20年以内
- マンション(耐火建造物)築25年以内
住宅ローン控除の適用を受けるためにも、木造住宅であれば築20年以内の物件の中から選択する人が多くいました。
改正後は大幅に中古住宅の選択肢が広がり、エリアや価格の条件で希望の中古住宅を探しやすくなりました。
面倒な証明書が必要なくなる
築年数を超えた物件で住宅ローン控除を受けるためには下記の証明書を取得する必要がありました。
- 耐震基準適合証明書
- 既存住宅性能評価書
- 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の付保証明書
改正後は証明書を準備する必要がなくなり、中古住宅を検討する人達にとって大きなメリットになっています。
なぜなら、証明書取得は簡単ではなく、次に説明するような面倒な手続きと費用がかかるからです。
証明書取得のための費用や手間がなくなる
発行する証明書にもよりますが、費用は「10万円~20万円前後」かかり、手続きも簡単にはいきません。
改正後は下記の面倒な手続きが必要なくなることから、中古住宅の需要が大幅に増えることが期待されています。
【耐震基準適合証明書】
耐震基準適合証明書とは、耐震基準を満たしていることの証明書です。診断をおこなって建物の耐震性が建築基準法で定めた基準をクリアしていれば証明書が発行されます。
発行するためには「指定確認検査機関」や「登録住宅性能評価機関」、「建築士」に依頼します。
流れは「依頼→調査→診断→発行」になり、期間は1カ月程度になります。
【既存住宅性能評価書】
既存住宅性能評価書とは、国土交通大臣の登録を受けた第三者機関「登録住宅性能評価機関」が住宅の性能をチェックし1~5等級で表示する評価書です。
発行するには登録住宅性能評価機関に依頼します。流れは「登録機関による調査→個別の性能評価→発行」です。
住宅ローン控除の対象になるためには、耐震等級が一定基準を満たしていることが条件になります。
【既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の付保証明書】
既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の付保証明書とは、瑕疵保険が締結されていることを証明するものです。
瑕疵保険とは、購入後に建物の構造躯体上主要な部分および雨水の侵入を防ぐ部分に瑕疵がみつかった場合の補修費用を受け取ることができる保険です。
買主側が勝手に申し込むことができないため、売主側の同意が必要になります。依頼するためには、売主側に手続きをおこなってもらうことになります。
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築30年~築40年の中古住宅を購入する注意点
「新耐震基準に適合している」「住宅ローン控除の対象になる」から安心ということではありません。
築年数30年~40年の中古住宅では「雨漏りによる不具合」「床下がシロアリによる腐食」「配管や水回りからの水漏れ」など購入前に確認したい注意点は多くあります。
ホームインスペクションを検討
専門の業者にホームインスペクションを依頼することで中古住宅の隠れた不具合や欠陥を調査することができます。
費用は検査箇所や検査項目によって異なりますが、戸建てであれば「6万円~7万円」マンションであれば「4万円~5万円」が相場になります。
費用はかかりますが中古住宅を購入する安心材料になります。また、中古住宅のなかには売主側でホームインスペクション実施済みの物件もあるため、追加費用をかけずに購入することができます。
リフォーム費用も含めた資金計画
築年数が古い物件では、キッチンやトイレ、お風呂などの水回りのリフォーム以外にも大規模な修繕費用が発生する可能性があります。
購入後にリフォームする場合には「中古住宅の購入費用」に「リフォーム費用」も含めて資金計画をすることが大切です。
まとめ
住宅ローン控除は今回の改正で中古住宅の築年数の制限が廃止されました。
そのため、住宅ローン控除の対象となる中古住宅が大幅に増え、中古市場の更なる活性化が期待されています。
しかし、中古住宅を購入する前に確認すべきポイントは住宅ローン控除のほかにも多くあります。購入後に後悔しないためにも、中古住宅の売買に強い地域密着型の不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。
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